Before (改善前)

薄板に対して皿ビスを使用して固定を行う際に、タップ側に干渉してしまうことがあり、皿ビスを確実に固定できない場合があります。皿ビスに対して干渉が起こると、ビス締めの精度不良やドリルやタップの破損につながります。そのため、一般的には板厚を上げる、またはスペーサーなどをビスと板の間に入れて固定する対処方法が取られます。しかし、板厚が厚くなることによって材料コストが増大する、スペーサーなどの部品コストが必要になるなど、コストアップの要因となります。

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After (改善後)

薄板(制御盤や通信盤では1.2mmが採用されることがある)に対して皿ビスを使用して固定を行う場合、タップ側に面取りバーリング加工を施すことによって、板厚が薄くて済み、スペーサーなどの部品も必要としないため、材料コストを抑制することが可能となります。また、タップ側に干渉してしまうトラブルを回避できるため、ビス締めにおける精度の向上や、ドリルやタップ穴の破損防止にもつながります。

POINT(要約)

JISによって、制御盤のキャビネットを構成する各部は1.6mm以上の鋼板、または1.2mm以上のステンレス鋼板を使用することが定められています。ただし、実際に制御盤や通信盤に最も使用される板厚は1.2mmになっているため、バーリング加工を行うことが干渉を防止するために有効な方法となっています。