盤に於ける2つのトラブル要因
機械をコントロールする制御盤や信号や情報を伝達する通信盤の基本的な機能を完成させ、現場で正常に稼働し始めた際に、トラブルにつながる原因として大きく2つ要素が上げられます。1つが盤内の熱の問題。2つめが、水や埃にまつわる盤の保護構造について問題です。
制御盤や通信盤にとって熱の問題は、今までもこれからも続く大きな課題の一つです。制御機器は小型で高性能になっていますが、その機器自体の発熱量は大きく変わってはいません。これらの制御機器は、基板から構成されている一種の小型パソコンのような存在であり、一般的にメーカーの使用環境温度は40℃~45℃以下となっています。そのため、盤の周囲温度が40℃以上になれば、必然的に盤内温度は50℃以上になります。盤内温度が50℃以上になると、制御機器がオーバーヒートを起こしたりや基板自体の焼鈍等のトラブルが発生がしやすくなるのです。盤を設計する際には、設置環境と内部の制御機器の発熱量を考慮することが大切です。
盤筐体のIP:保護等級については、屋外盤でその対策が求められます。盤は、その機能上電気が流れている産業機械であるため、塵や埃や湿気は、電気機器のトラブルに直結してしまいます。内部に入った塵や埃が基板表面に付着し、昼夜の温度差によって基板表面に水滴が付着することで、盤の電源が落ちたり、電気機器が故障する問題は、盤の構造設計に関係する問題なのです。盤の密閉性を向上させ、外部からの塵や埃や水分の侵入を防ぎ、電気機器が稼働しやすい環境の維持がトラブル発生確率の低減につながります。
< 盤の発熱対策、塵・水侵入対策の為に行う、環境温度試験と防水試験 >
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