Before (改善前)

固定パーツであるボスは、制御盤の床面等で頻繁に使用されます。このボスを盤の鋼板表面に固定する方法を手溶接作業で行う場合、その溶接の寸法精度出しが難しく、さらに溶接の加工時間もかかり盤の製作コストが高くなってしまいます。また、この手溶接の場合、溶接加工裏面(盤の表面の場合が多い)に溶接焼けが出ることがあり、溶接焼けを取り除くサンダーの仕上げ加工が必要になり、さらに作業工数が増えることがあります。手溶接による固定は強い強度がある一方で、溶接職人の腕も必要になるため、盤の品質とコストの両面からみても、コストが高くなっていることが多くなっていました。

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After (改善後)

盤へボスを取り付ける目的は、固定部分の製作です。この目的を果たすためにボスを手溶接で加工するのではなく、スタッド溶接を採用することで品質・コストを軽減できます。スタッド溶接とは、NC制御された自動溶接加工機です。NC制御されていますので、溶接精度は高く、加工面の裏にも溶接の跡が出ることはありえません。一般の溶接機と違う点は、専門のスタッド自体が溶接ワイヤや溶接棒と同じ役割を果たす仕組みになっており、溶接加工の速度も速く作業効率も高くなります。先ほども述べたように、溶接加工裏面に溶接焼けが出ない為、サンダー等による後処理が不要になり、コストダウンにつながります。

POINT(要約)

1カ月に数十台、数百台と製作する量産型の制御盤や通信盤、分電盤には、品質の安定と作業時間の短縮を実現する工程の確立が必要不可欠です。盤の固定部分の製作に関して、スタッド溶接機の採用は非常に大きな成果があります。溶接と言う職人の腕が最も試される作業工程を、自動化することで属人的な要素を廃止、安定した品質と作業効率の向上を果たします。スタッド溶接機は盤の製作メーカーにはなくてはならない設備ではないでしょうか。