Before (改善前)

PLCやインバータなどの通電している制御機器が入っている盤の内部に多くの結露が入ると、基板表面に水滴が付着しやすくなります。金属等で構成される基板に水滴が付いた状態で通電すると、イオンマイグレーション現象が起こる可能性があり、制御機器の故障の原因につながります。これらを防止するために屋外に設置された制御盤や通信盤は、優れた耐水性を確保する必要があります。一方で耐水性を確保すると、盤は密封された状況となり、制御機器や電気抵抗体が発する熱によって盤内部が高温になります。この耐水性と熱対策の両立が設計者の課題でした。

V

After (改善後)

屋外に設置された盤は、朝夜と昼間の温度差を直に影響を受ける為、盤内外の金属表面に結露が発生し易くなります。この結露の発生をし難くする屋外の制御盤や通信盤の構造の1つとして、耐水性のあるベンチレーターの設置があげられます。ベンチレーターの設置は、盤外表面の耐水性と盤内の空気の換気性を共に向上させ、盤内の水分量はほとんどそのままに、盤内と盤外の温度差を小さくできます。結露の発生を防止する空気中の水分量を増やさないこと、温度差を小さくする作用で、盤のトラブル発生率を下げ、盤筐体の寿命も伸ばすことができます。

POINT(要約)

屋外盤は制御機器等の発熱や太陽光による侵入熱などにより、盤内部が盤外と比較してどうしても高い温度になります。この温まった盤内のまま夜や朝などの外気温度が冷えた際にその温度差によって盤の結露が発生することがあります。この結露の発生を防止する為の効果的な対策がベンチレーターの設置です。盤内の結露防止は、屋外盤自体のトラブル発生の低減や長寿命化につながります。