盤のIP:保護等級 防水試験について

 制御盤や通信盤の品質・性能を決める項目に、IP:保護等級があります。IP:保護等級は盤に対する、塵や埃などへの耐性の防塵レベル、内部への水分・水の侵入への耐性の防滴・防水レベルを示す等級です。特に屋外に設置された盤には、空気中の塵や埃だけでなく虫の侵入、雨風に常にされされることによる水分の侵入の対策が求められます。また、遠隔地に設置された屋外盤や、内部に精密機器が格納された屋外盤は、盤自体の耐久性と一定のメンテナンス周期の為の高いIP:保護等級(IP44以上が目安)が求められます。ただ、IP:保護等級は、盤の密閉性につながり、そのため内部の熱対策が必要になることがあり、この相反する問題の解決がポイントとなります。

盤のIP:保護等級 防水試験の特徴

 これまでに屋外盤豊富な製作経験を持っている「屋外盤 設計・製作.com 」は、工場内にIPX5までを試験できる設備を配備しています。IP:44は「 すべての方向からの水の飛沫による悪影響を受けない 」という定義があり、専用の放水試験設備・排水設備によって、この条件を満たすかの保護等級の試験を日々行っています。IP:保護等級を高いクラスにするためには、盤の密閉性を非常に重要になります。一方で盤の密閉性を上げようとすると、通常、鋼板の筐体構造とそのへの溶接工数の増加を伴います。つまり、盤の高いIP:保護等級は、その製作コスト増大と製作納期がかかることになります。この問題を盤の筐体を溶接構造ではなく、6面パネル構造のビス留めによってIP44を実現しました。この結果、量産盤の低コスト・短納期の実現、また専用の盤クーラーによる熱も問題も解決しています。

<盤のIP:保護等級 防水試験の特徴>
特徴①

盤のIP:保護等級 防水試験 を配備した生産工場

特徴②

高いIP:保護等級の実現且つ、盤内の熱対策も可能

特徴③

盤筐体の溶接レス構造の6面パネル構造による低コスト・短納期の実現

 板金加工工場と盤の組立工場の間に、IP:保護等級を試験する専用の放水設備や排水設備を持っています。自社内でIP試験を行うことができるため、量産盤の試作盤で最適なコストと製作納期を確かめるコトが可能です。この自社設備を使って過去、IP44を満たした盤を月産2000面以上製作した実績があります。
※IP5X以上の製作実績もありますが、試験は外部に委託しています。



<盤のIP:保護等級 防水試験の風景>
社内でIP44までの試験設備の配備
社内でIP44までの試験設備の配備
社内でIP44までの試験設備の配備(排水設備)
社内でIP44までの試験設備の配備(排水設備)
屋外盤への防水試験
屋外盤への防水試験
盤への防水試験(IP44)
盤への防水試験(IP44)

屋外盤 設計・製作.com による「 防水試験 」と「 盤・筐体 」の事例

 「 屋外盤 設計・製作.com 」が過去に製作したIP44、IP55の通信盤・制御盤の事例になります。IP:保護等級を高くすると当時に、密閉性の上昇による盤内部の発熱・侵入熱対策を盤クーラー、冷却ファン、遮光板によって行っています。また、寒冷地の盤内の結露対策もヒーターによって行っています。

盤のIP:保護等級 防水試験